2004年05月11日
◆菅代表辞任。一丸となって、建て直しをします
(長文ですが、お許しください)
連休前の強行採決に続き、年金未納の国会議員が続出して、混乱に拍車がかかっている、年金改革の議論。この2週間、たくさんの方々から厳しいご意見、怒り、励ましの声を頂戴しています。ありがとうございます。
この間の流れと私の考えについて、時系列に沿って、若干書きたいと思います。
民主党と与党は6日夜の幹事長・国対委員長会談で年金制度改革関連法案の取り扱いについて協議。その結果、以下の三点について合意したとの報道(いわゆる三党合意)がありました。
「付則に年金一元化を展望し、検討すると明記すること」
「衆参両院の厚生労働委員会に小委員会を設置し、一元化を含む社会保障全体の見直しについて、2007年3月をめどに結論を得ること」
「与野党で社会保障全体を見直す協議会を設置すること」
(三党合意の詳細については、文末の「参考」をご参照ください)
私は、今回の年金改革審議の一連の混乱を収めるためには、二つのことが必要だと考えました。
ひとつは、政策論としてのけじめ。もうひとつは、政治家のあり方としてのけじめです。
政策論として、今回の三党合意が評価できるものか。
結局、妥協の産物、玉虫色の解決でしかありません。あまりにも国民から見えない。ある新聞では、「未納隠し 自公民"談合"」とかかれましたが、そういわれても仕方ないと考えます。自民党にいいようにやられている。強行採決をされたのに放置したままであるばかりか、お家の事情に配慮したような、国民から離れた形での幕引きに、私自身、怒りがこみあげてなりません。何より筋がとおらない。何のために今まで徹底的な審議を尽くそうと、党を挙げてしっかりとした対案を準備をし、時間と手間をかけてきたのか。資料の隅々にまで目を凝らし、これまでの年金制度の不正、問題点を明らかにし、あるべき年金制度の姿を模索してきたのか。時には茶番といわれながらも身体まで張っているのか。
政治家のあり方としてもそうです。自らの理屈はあるにしても、それが、残念ながら意に反して、有権者の目から見たときに、開き直りに見え、言い訳に聞こえている。そこに思いが至らないひとが党の要職を務められるのか。福田官房長官の辞任によって、民主党は、自らのけじめをつけられない政党だというイメージがますます広がっていくことに、心底危機感を感じました。なんとかせねば。
以上が私の考えでした。
そんな中、先週の金曜日(5月7日)と今週の月曜日(10日)に民主党は両院議員懇談会を開催し、「未納問題」に関する菅代表の対応と「三党合意」の扱いについて徹底的に議論しました。昨日、その場で菅直人民主党代表が未納問題などの責任をとって辞任をなさいました。
様々な意見が出ました。簡単に今日の懇談会を解説すれば、次のようになります。
・政府の年金改革案には民主党はあくまでも反対
・「一元化を含む一体的見直しのための協議会をつくる」「保険料の引き上げを経済状況をみて、改めて(凍結も含めて)考える」という趣旨の3党合意には賛成(執行部に扱いを一任後、役員会で承認)
ということです。
非常にわかりにくい結論だと、私も思います。
とはいえ、もし、この三党合意を民主党が白紙撤回してしまうならば、もっと大きなリスクを国民に、そして民主党にも背負わせてしまうことになります。これまでの制度も運用も、あまりにも問題が多いのに、年金改革の議論は終わったとされかねない。民主党は政党と政党の間の約束すら守れない、というキャンペーンが与党側から張られるでしょう。また、もしこの合意を白紙に戻すなら、それは今の民主党の執行部全体への不信任を意味し、執行部総退陣となれば、民主党の存立さえ危うくなってしまいます。
だからこそ、三党合意を白紙撤回し、政府案をそのまま成立させて、「年金協議会もなし、保険料引き上げを食い止める手がかりもなし」という状況を作り出すよりは、この3党合意を消極的ながら認めつつ「最大限利用する」ことによって、一元化や保険料引き上げ凍結の足がかりを作ることの方がベターな選択だと判断しました。国会において数で劣る野党第1党として、承服できないところが多いながらもわずかばかり勝ち得た「一歩の前進」と私は考えます。
決して実り多いものでない「第1ラウンド」の足がかりをもとに、参議院での法案審議や論戦で、民主党の対案を改めてしっかりと示し、政府案がはらむ問題点を明らかにしながら戦いつづけることこそが、私たちが取るべき道だと考えています。(与党が三党合意を軽んじているかどうかもその議論で明らかになるはずです)
今後は、今週金曜日(14日)までの新代表選びに新しい議論が移ります。新代表はこの議員がよい、民主党はこうやって反転攻勢すべきだ、などのアドバイスがあれば、ぜひお聞かせください。
メールアドレス: smile@kiitaka.net
この1週間が勝負。ただ単に民主党のためでなく、政治改革、年金改革のために、民主党の建て直しに頑張ります。
政党としても政治家としてもきちんと筋のとおった、年金改革の論議に戻せるよう、微力ながら全力を尽くしたいと思います。
(参考) 年金制度改革に関する3党合意(平成16年5月6日)
年金制度改革に関し、下記の通り合意する。
1.社会保障制度の全般的見直しについて
〔1〕衆議院と参議院ののそれぞれの厚生労働委員会に「年金の一元化問題を含む社会保障制度全般のあり方に関する小委員会」を設置し、年金の一元化問題を含む社会保障制度全般の一体的見直しを行い、平成19年3月を目途に結論を得て、随時実施を図るものとする。
〔2〕〔1〕にあわせ、与野党により、平成16年度から年金の一元化問題を含めた社会保障制度全般の一体的見直しのための協議会を設置し検討する。
〔3〕年金保険料については、社会保障全体の在り方の検討状況や経済社会情勢の変化などの事情を勘案して、必要に応じ検討を加えていくこと。
〔4〕上記を踏まえ、5月11日衆・本会議において政府案に別紙の付則を追加する修正を行う。
〔5〕衆・厚生労働委員会において、年金に関する委員会決議を行う。
2.年金の未納問題について
〔1〕国民年金の未加入者及び未納者に対する通知、督促を適正に行うための措置を講じさせるものとする。
〔2〕錯誤等による未加入、未納者について、今国会において一定条件の下で、事後納付できるようにするための法的措置を講ずるものとする。
〔3〕民間人から登用される大臣等について、今国会において、国家公務員共済年金に加入できるよう政令改正を行うものとする。
自由民主党幹事長 安倍晋三
民主党幹事長 岡田克也
公明党幹事長 冬柴鉄三
(参考)国民年金法等の一部を改正する法律案に対する修正案
国民年金法等の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。
附則第三条を同条第三項とし、同条に第一項及び第二項として次の二項を加える。
1 政府は、社会保障制度に関する国会の審議を踏まえ、社会保障制度全般について、税、保険料等の負担と給付の在り方を含め、一体的な見直しを行いつつ、これとの整合を図り、公的年金制度について必要な見直しを行うものとする。
2 前項の公的年金制度についての見直しを行うに当たっては、公的年金制度の一元化を展望し、体系の在り方について検討を行うものとする。
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